パソコン用メガネ:疑問点が多すぎる <胡散臭さ70%>

【参考リンク】
http://matome.naver.jp/odai/2135173120047705201
http://medama-cafe.tea-nifty.com/mc/2012/07/post-7900.html
http://www.m-bsys.com/knowledge/pc-glasses

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 パソコンや携帯電話を使う人のために、画面から発する目に有害な光から守るというふれこみで、パソコン用メガネなるものが販売されています。
 しかし、これは本当に買う意味があるものなのか?ちょっと考えても多くの疑問が思い浮かびます。
 ざっと挙げてみると、
(1)パソコン用メガネを売るサイトを見ても、しくみや効果などの詳細な情報がほとんど掲載されていない。
    「Aは人体にBの悪影響を及ぼすおそれがある。CによってAから人体を守る」
    程度の最低限の説明があって初めて商品の価値を訴えることができると思うが、実際は
    「ブルーライトから目を守る」
    のように後半部分のみで、前半の情報はほとんどない。
    もっと具体的に言うと、
     「パソコン用メガネをかけないと目が悪くなる。」
     「パソコン用メガネをかけると目が悪くならない。」
    という内容のことを何も言わずにパソコン用メガネを売っている、ということです。
    はたして、パソコン用メガネの価値って何でしょう?
    価値を説明できないものを人に売る行為って、どういうことなんでしょう?
(2)パソコン用メガネメーカー以外のネット上でも、ブルーライトの悪影響に関する医学的な情報が前面に出てきていない。
(3)ブルーライトの目に対する悪影響は何か?諸説はあってもそのものズバリの情報がない。
    「網膜を痛める」「目の調節機能に悪影響」「体内時計を狂わす」などだが、
    それぞれ突っ込みどころがあって、どれも完全に納得できない。
    ケースバイケースで都合のいいものが選ばれている感じも。
(4)パソコンやLED照明の光が目に悪いとは、公式には何も認められていない。
    「携帯電話の電波はペースメーカーや飛行機に悪影響を及ぼす」可能性については、
    使用を制限する対応がとられている。
    ブルーライトは、それすら至っていない。
    注意事項を細かく書くようになった取扱説明書にも、
    「パソコン画面/LED照明を長時間見ないでください」とも書かれていない。
(5)どの程度危険なのかの定量的な情報が見当たらない。
    「焼き魚のコゲは発がん性物質が含まれる」というのは確かだが、
    実際は大量に食べてもがんになることはないから気にしなくていい。
    ブルーライトが危険だとしても、この程度の可能性がある。
(6)太陽光やLED照明などの青い光の方がパソコン画面よりはるかに強いが、なぜパソコンだけを対象とするのか?
    パソコンが目に悪いなら、太陽でもっと悪くしている人が昔から大勢いたはずだが…。
    実際に、ブルーライトの危険性を疑う論文などでも、まずLED照明で次に太陽光だが、
    パソコンについては触れられていなかったりする。
(7)青い光をメガネでカットするより、パソコンのバックライトを調整する方が、対策が根本的で無料。
    太陽光は調整できないからサングラスをかけるしかないけど、パソコンやLED照明は事情が違う。
(8)ブルーライトの危険性を訴えるために情報操作をしているケースが見受けられる。
    VDT(≒パソコン)使用時の疲労回避のガイドライン(約20年前のもの)を、
    液晶画面に対するものであるかのような記述をしたり、
    100%輝度の液晶と100%未満のブラウン管を比較して、液晶の光が強いと見せかけたり。

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 とりあえずはこんな感じ。
 健康や美容に関する製品は、これまでいくつもインチキ商品があったので、特に注意が必要。
 健康や美容に対する人々の心の弱みにつけこみやすいので、インチキ商品は後を絶たないのだろう。
 たとえ科学的な知識がない人でも、(1)のポイントがあやふやかどうかで怪しい商品かを判断するのが有効かもしれない。
 たとえば、「納豆でダイエット」という「あるある大事典」での実例も、これに照らし合わせると怪しいと判る。
 TVショッピングの健康食品なら、(1)についてある程度の情報がそろっている。(それでも怪しいのが多いけど)
 ひるがえって、パソコン用メガネは…?