予言、占い、デマについて

 予言、占い、デマなどに対して、どう考えるのが真っ当かをまとめてみました。
 一言で言えば、「信じる者はだまされる…」。
(1)厳密に「予言」と言えるものは、全くといっていいほど存在しない。
 予言とは、事象が起こる前に「『いつ』『何が』起こるか」を明確に指摘したもの。
 事象が起こった後に、「そういえばあれはこのことを言っていた予言だったのでは?」というのは、前もって知らしめることになっていないのだから、予言のうちに入らない。

(2)「予言者」と認定できる人は、全くといっていいほど存在しない。
 予言者というからには、予言したことが100%当たるのが当然だと思う。
 百歩譲っても、50%以上だったら偶然以外の何かの力が働いている可能性を問える。
 しかしながら現実には「当たった」とされることばかり注目して、その陰でどのくらいの予言がはずれたのかを明らかにしている予言者や占い師は一人もいない。
 1回や2回言ったことが当たっただけでは偶然と区別がつかないので、予言とは到底言い切れない。
 言っていることの何パーセント当たった実績があるのか?次の予言がどのくらい当たりそうかの数字を明確に示せるのか?それがはっきりしない人の予言や占いなど、とてもじゃないが信用できない。

(3)予言者や占い師の中に、他人の人生に影響を及ぼしてしまうことに対して責任を持つという人は存在しない。
 つまり、予言や占いはすべて「無責任」だということ。
 予言者や占い師の言うことに従えば必ずいいことがあるのならそうしてもいいだろうが、(2)で述べたようにそんな保証は何もない。
 保証がない以上、信じて従った結果不幸になることも想定される。
 そうなった場合、「だましたな!」と怒ったとしても、最初から責任を取るとも言ってないし、責任を感じで補償してくれたなんて話も聞かない。
 結局は泣き寝入りするしかなく、何の保証もないことを信じたことが悪かったことになる。
 つまり、冷たい言葉かもしれないが「だまされる方が悪い」ということで、これがこの世の実情だということは疑いようのないことなのである。

(4)予言やデマを広めている人は、使命感を持っているのではなく、軽はずみでやっているとしか思えない。
 これは(3)と同じで、責任を伴わない言葉は信用に値せず従うべきではないということ。
 (3)との違いは、予言やデマの「発信源」ではなく、入手した情報を伝搬している人だということ。
 で、実際にデマをばらまいた人が、責任を感じて謝罪したなんてことは聞いたことはない。
 デマをばら撒くような人はそもそも無責任な人だというのが、現実が示す真実である。
 発信源じゃないから責任は問われないかといえば、仮にあなたが顔見知りに情報を教え、それに従ったことによって顔見知りが被害を被った場合、あなたは発信源と同様に恨まれることも十分考えられる。
 そうなった場合の責任を取るつもりはない、取ろうにも取れないのであるなら、他人の行動を左右するようなことは軽はずみに言うべきではない。

(5)「だまされたくない」と思う人はだまされないように行動し、そのように行動しない人は「だまされても構わない」あるいは「だまされたがっている」人
 人がだまされた場合、どのような不幸がふりかかるか?
 最悪の場合としては、多額の金品を騙し取られる、宗教や悪徳商法や活動組織のメンバーとなり、他人を勧誘したり犯罪行為にまで及んで加害者になる、宗教やオカルトを信じ込んで周りの人に迷惑を被る、など。
 そこまでひどくない、一番程度の軽いことだとしても、だまそうとした奴に陰で笑いものにされる、世間の人の物笑いの種になる、などが考えられる。
 また、「情報に振り回された」ということは事実としてぬぐいきれない。
 これらのことは「そうです、私ってバカで〜す」と受け入れられる人ならなんともないだろうが、バカにされることを許さないプライドの持ち主ならそんな目に会いたいと思うだろうか?
 中には「だまされた。なんてバカなんだ。」と自己嫌悪に陥る人もいるだろう。
 でも、そんな人の方が反省を経て自分をいい方向に変えていくことに対して見込みがある。
 逆に反省をしない人は、いずれまた別のことでだまされて、死ぬまで次々とだまされ続けて、だまされるための人生を送ることになるかもしれない。

(6)「予言や占いを信じる」と口では言う人も、行動が伴ってないから本当は信じていない。
 つまり、平たく言えば「嘘つき」。
 例えば、「地震が来る」という予言を信じて遠くに旅行に出かける人はいるらしいが、圧倒的に少数派。
 さらには「人類滅亡」の予言を信じて安全な場所(「滅亡」だからどこに逃げても無駄だと思うのだが…)に移住している人は恐らくさらに少数派。
 でも、口だけは「滅亡するかもしれない、どうしよう」と言っている人なら数多くいそうな気がする。
 それを本当に信じているのなら、それに伴った行動をしなければおかしいことになる。
 その行動とは、例えば仕事を辞める、学校に行くことを辞めさせる、貯金もしない、保険は解約する、借金しまくる、健康に気を配らない、豪遊する、常に家族と一緒の時間をすごす、など。
 逆に、やりたくない仕事を辞めずに続けてたり、いやな思いまでして学校に通い続けたり、長生きしようとしてたり、そんな日常を相変わらず続けているとしたら、それは確実に「滅亡」の予言を信じてないということだろう。
 そして、実際にはそんな人が大半だと思うから、口先だけ「滅亡」の嘘つきがかなり存在すると思われる。
 そんないつわりの「滅亡ブーム」を真に受けて真剣に悩んでいたら、かなり間抜けな話である。

(さらに続く予定)